6/29から、ホルモン療法のために「フェアストン」というお薬を一日一錠飲んでいます。はじめてから210日・約7ヶ月がたちました。2017年5月に凍結療法の手術を、7月〜8月にかけて行った放射線治療を終えて、現在はホルモン療法のみとなっています。
また、1月20日「第6回日本HBOCコンソーシアム学術総会 市民公開講座 『話そう、シェアしよう、「乳がん」と「遺伝」』」に行ってきたので、その模様について簡単にご紹介したいと思います。
<と、実は2週間ほど前に書いており、記事をアップする予定でしたが、家庭の事情的なことでバタバタしており、こんなタイミングになってしまいました。もう2月に入ったなんでビックリです…。現在はホルモン療法222日目位ですが、このまま記録としてアップさせて頂きたいと思います。>
最近の体調
最近は特に気になる体調の変化もなく、元気に過ごしています。たまに、風邪っぽいかも?位はありますが、悪化もせず、発熱もなく過ごせています。フェアストンによる副作用も今の所ないと思います。強いて言えば、最近胃の調子がよくないことが多いのですが、年末年始にちょっと食べ過ぎてしまったのと、若干ストレスフルな時を過ごしていたら、胃にきてしまいました。もしかしたら、ホルモン療法のせいかも…?と思ったこともありますが、明らかに、ストレスを感じた後に胃の具合がグッと悪くなったので、やっぱり副作用ではないと思っています。
何はともあれ、「ストレス」もがんには大敵とわかっているのに、ついついストレスフルな状況に自分の身を置いてしまい、結果、ストレスを感じてしまっています。ストレスがかかるような状況は避ける、とか、ストレスをストレスと感じないように心を持っていくようにする、などなど、対処していけるようになりたい、と思っています。
話そう、シェアしよう、「乳がん」と「遺伝」
1月20日土曜日、「第6回日本HBOCコンソーシアム学術総会 市民公開講座 『話そう、シェアしよう、「乳がん」と「遺伝」』」に行ってきました。このような催し物・講座に参加するのは初めてで、ちょっと緊張しながら伺いました。
場所は、聖路加臨床学術センターの日野原ホールというところでした。まだ新しい建物のようで、とても綺麗なところでした。
内容としては
- 山内英子 聖路加国際病院 副院長•ブレストセンター長•乳腺外科部長のお話
- 遺伝性の乳がんに罹患した経験者の方のお話
- 認定遺伝カウンセラー、遺伝診療科の看護師の方、一般の乳がん経験者、遺伝子検査の経験者計6名でのシンポジウム
という3部構成でした。
1.山内英子 聖路加国際病院 副院長•ブレストセンター長•乳腺外科部長のお話
いわゆる遺伝性の乳がんに関するお話をしてくださいました。ものすごくわかりやすく聞きやすいお話のされ方で、大変聞き心地がよかったです。
お話の内容は、以前、遺伝カウンセリングで聞いたことも多かったです。(参照:「遺伝カウンセリングに行って来ました vol.1 」「遺伝カウンセリングに行って来ました vol.2 」)
まずは「がん家系?」というお話から。
現在「がん家系」と言われるもので遺伝子変異が明らかなものとして
- BRCA遺伝性乳がん・卵巣がん症候群
- リンチ症候群→大腸がん
- リ・フラウメニ症候群→軟部組織肉腫,骨肉腫,閉経前乳がん,脳腫瘍,副腎皮質がん(ACC),白血病など
などが代表的なものとして挙げられるそうです。
続いて、「がんとは?」「がんの要因」「遺伝子検査」についてなどを解説してくださいましたが、詳細は割愛します。その中でも印象に残っていることは、
- 遺伝の変異は必ず子供に受け継がれるか?という件は、50%である、ということでした。
- もしも遺伝子に変異があった場合、
50歳までに乳がんになるリスク 50-30%
70歳までに乳がんになるリスク 87-56%
70歳までに卵巣がんになるリスク 44-27% - BRCA1の遺伝子変異があると卵巣がんのリスクが高い
- 男性の場合BRCA2変異があると、前立腺がんや膵がんのリスクが高い
などなど、知らなかったことを多く学ぶことができました。
PARP阻害剤が承認!
PARP阻害剤とは、「遺伝性乳がんや卵巣がんの原因であるBRCA1/2遺伝子の機能不全によりがん化した細胞に対して、特異的に細胞死を誘導することを目的に開発が進められている分子標的薬」だそうです(引用元:下記参照)。そのお薬ですが、遺伝性乳がんに対してではなく、今のところ再発卵巣がん治療薬としてこの公開講座の前日承認されたそうです。
今後、この新しいお薬が遺伝性乳がんに効果が認められ、治療薬として承認されるといいですね。
2.遺伝性の乳がんに罹患した経験者の方のお話
実際に、乳がんに罹患された「Tさん」が、どのような経緯で遺伝子検査を受けることになったのか、その後の治療に関することなど、詳細に経験されたことをお話してくださいました。
Tさんの病歴は、37歳で卵巣嚢腫、47歳で乳がんが見つかり、少し間をおいて乳がんが見つかった翌年に遺伝子検査を受けられたそうです。家族歴としては、妹さんがTさんよりも早く乳がんと診断されて治療されていたり、卵管がんのおばさまがいらっしゃるそうです。
Tさんの遺伝カウンセリング及び遺伝子検査を受けたのは偶然が重なったことが大きいとのことでした。
最初に乳がんが見つかったのはTさんが47歳の夏で、その時は妹さんがすでに乳がんだったこともあって遺伝子検査の話をされたそうなのですが、乳がん告知後は精神的に余裕がなく、遺伝子のことまで考えることが難しかったようです。手術の前に抗がん剤治療があったため、手術は翌年の3月だったとのこと。その手術までに時間があったため、精神的にだいぶ落ち着くことができたそうです。
抗がん剤治療を終えたあと、術前の診察の時に再度遺伝子検査について医師からお話があったそう。気持ちも落ち着いていたこともあり、その時は遺伝カウンセリングに踏み切られたそうです。カウンセリングの中で、(確か)乳がんが見つかる10年以上前に遺伝子治療のことを取り上げていたNHKの番組をご覧になっていたことを思い出し、そのテレビの内容が頭の中でリンクしたのもあり、すぐに遺伝子検査を受けられたそうです。
結果、手術前にBRCA1が陽性であることがわかったそうです。そこから、Tさんは本来温存手術を予定したところを、急遽両胸全摘という決断をされました。全摘だと再発リスクが低い、というのと、元気で過ごせる時間をできるだけ長く持ちたい、というのが決断の大きな理由だったとのことです。確かに、再発した場合、治療にまた時間もお金もかかり、治療によって新たな不調が加わったりします。そういうリスクなど総合して考えた上での決断だったようです。
詳細は失念してしまいましたが、順調に再建手術も受けられ、現在はお元気に過ごされているそうです。
3.シンポジウム
認定遺伝カウンセラーの方、遺伝診療部の看護師の方、①若年性乳がん経験者(トリプルネガティブ、遺伝子検査をしてBRCA陰性)、②若年性乳がんの経験者(遺伝カウンセリング・遺伝子検査は未済)、③乳がんに罹患していないけれど遺伝子検査の経験者(お母様が2回乳がん、BRCA2陽性)、④第二部で遺伝子検査の経験談を話してくださったTさんの計6名でのシンポジウムでした。
まずは、登壇される方のバックグラウンドをそれぞれの方がお話しされ、遺伝カウンセリング・遺伝子検査をどのようり理解していったか、遺伝子検査との関わり、この講座に来ている方へのメッセージ、などなどをそれぞれがお話してくださいました。
遺伝カウンセリング・遺伝子検査との関わり…
②ある日突然がんがわかって早急に治療が必要で、考えなくてはいけないことが急に沢山増えました。治療を勧めなくてはいけない中で、遺伝子検査にまで考えが及ばなかったそうです。せっかく早く病気がわかったので、早く手術などで対処したかったため、術前に考える時間もほぼなく、遺伝カウンセリングに行く時間もなかったとのことでした。
④お母様がホルモン受容体陽性の乳がんに約40年の間に2回なられて、 2回ともホルモン剤使用なので、40年くらいの間に20年ホルモン剤とお付き合いしているそうです。2回目の乳がんの治療は病院・治療に付き添っていらっしゃって、その時の苦しみ・薬の長期的な副作用・再発への恐怖などなど、お母様の姿をずっと側で見てきたそうです。そんな中、遺伝子の話を聞いた時、自分にも当てはまるのでは…と思い、遺伝子検査を受けるに至ったそうです。この方は乳房の予防的切除をされているのですが、遺伝子検査も含め予防的切除などについてすぐに決められた訳ではなく、タイミング・運などが合致し、手術を決断されたそうです。
②妹が二人いるので、もし自分が遺伝子検査を受けて陽性だったら、二人の妹に情報を与えられる利点もある一方で、不安を煽る可能性もあるとおっしゃっていました。ご自分としても、陽性だった場合、病気の可能性が増えて恐怖心が増えるのでは…感じているそうです。家族・親戚に乳がん・卵巣がんがいらっしゃらないこともあり、他の方と遺伝子検査に対する気持ちが違うかもしれない、とおっしゃっていました。
①治療中は1日でも長く生きたい、元気になりたい、と思っていて、遺伝子の件まで頭が回らなかったとのこと。病気で自分を責めていたが、乳がんに遺伝性のものがあると知ったら自分の病気が遺伝子の変異なのかもしれないと思い、気持ちが軽くなったそうです。
④先に抗がん剤治療→手術だったので、時間に余裕があったのが良かったそうです。抗がん剤がよく効いて精神的にも落ち着いていたため、そのタイミングで遺伝カウンセリングを再び勧められたので、カウンセリングを受ける気持ちになることができたとおっしゃっていました。
メッセージ
③知ることを恐れるのは簡単だけど、知ると武器が増えるし戦えるので、自分は遺伝性乳がんや遺伝子検査のことを知って良かったと思っています。自分の決断を今の所後悔はしていないです。もしどうしようと思っている方は、まずは「知る」ことから始めてみてはいかがでしょうか。
②ある日突然病気と言われると、目の前の道が閉ざされた感じがします。それを消化するのに時間がかかりましたが、家族・友人・病院の方々が助けてくださり、本当にありがたかったです。。自分がどうしたいかは自分で決めたいと思ってます。いろんな選択肢がある中で、もし立ち止まっている人がいたら、まずは自分が本当はどうしたいかを考えてみたらいかがでしょうか。
①遺伝子の検査は3年前で、受けようとしていた治験の薬が、まさに承認されたばかりの薬で、治療が進化しているとわかり嬉しかったです。治療の選択肢を沢山知ってその中から選択することにより、自分の思うような生活を自分で選ぶという意味で、良いのではないかと思います。
④不安に思っているならば、まずは遺伝カウンセリングだけでも受けて見たらどうでしょうか。遺伝カウンセリングだけなら、何も損することはありません。色々な情報を得られるし、自分の場合は安心感を得ることができました。不安を完全に払拭することは難しいですが、受けて良かったと思っています。
まとめ
なんだかただ長いだけのまとまりのないご報告になってしまいました。読みづらくてスミマセン。また、私の記憶とメモ等を元にしているので、内容に間違っている箇所等などある可能性があります。どうぞご容赦くださいませ。
今回のこの公開講座に参加して、4名の方に経験や考え方をシェアしていただき、とても勉強になりました。本当にありがたかったです。改めて、自分の「約30%」の可能性について真剣に考えなくては…と思う良いきっかけとなりました。2017年3月に遺伝カウンセリングを受けた際、私の家族歴や条件から約30の可能性でBRCA遺伝子に変異があるだろう、というお話でした。
実際に遺伝子検査を受けたい気持ちはかなり高まっていますが、私にはあと一つ、残念ながら経済的な問題もあるため、未だ遺伝子検査を受けるには至っていません。さらにこの公開講座では主にBRCA遺伝子変異のお話でしたが、前に行った遺伝カウンセリングでお聞きしたところ、他の遺伝子変異をまとめて調べる検査(多重遺伝子パネル)もあるそうです。
さらに、シンポジウムでお話してくださった方もおっしゃっていましたが、病気の可能性を知ってしまうことへの恐怖心も未だあります。改めて考えると、もしかしたら私にはその「タイミング」がまだ来ていないのかもしれませんね。今後は「タイミング」を伺いつつ、チャンスがあったらまた検査を受けるかどうか考えてみたいと思います。
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<参考・引用サイト>
http://hboc.jp/meeting/event2018/6th_event.html
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000058.000024308.html
http://www.jfcr.or.jp/hospital/cancer/heredity/relationship.html
引用元:
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/cancernavi/report/201108/520964.html