超音波検査とマンモグラフィ

実際に超音波検査を受け、マンモグラフィーも初体験しましたが、どちらもシコリを写すもの、シコリの広がりを見るものとして漠然とはわかっているような気がしていますが、どちらが何の為のどんな検査かは詳しく知りません。そこで、両者について調べてみました。

超音波検査(Medical ultraound)とは。

超音波検査(エコー検査)とは、超音波を対象物に当てて、その反射・反響を映像化することで対象物の内部の状態を調査することのできる画像検査法の一つとのこと。
超音波とは、耳で聞こえる音(可聴音)より高い周波数の音のことです。通常、音の高さは周波数:ヘルツ(Hz)で表され、人間の可聴音の周波数は一般的に20ヘルツ(Hz)~20キロヘルツ(kHz)と言われています。超音波に用いる超音波の周波数はそれよりずっと高い1~30メガヘルツ(MHz)程度とのこと。

超音波の検査器具または検査部位にジェル状のものをつけてすべさせながら画像を映して検査します。乳がんの場合は乳房内の病変があるかどうか、しこりの大きさ、またはわきの下などの周囲のリンンパ節への転移を調べることが出来ます。

マンモグラフィーとは。

マンモグラフィーとは乳房専用のX線検査、いわゆるレントゲン検査とのことです。少ない放射線の量で安全に乳がんの検出ができると言われています。

板状のもので乳房をはさみ圧迫して撮影します。これが人によってはものすごい痛みが伴います。撮影は、左右それぞれ、上下と斜め方向から、計4回行います(検診では斜め方向のみの場合があります)。乳房を圧迫して平たくして撮影することによって、病変をより鮮明に写し出すとともに、厚みを薄くすることでX線の被ばく量を減らすためなのだそう。
マンモグラフィーは、乳がんの初期症状である微細な石灰化(石灰=カルシウムの沈着・蓄積の総称、がんだけではない)などを検出できるため、早期発見に有効です。また、乳がんの検診では最も信頼性の高い検査方法だと言われています。

どちらを受けるべき?

これは悩ましい問題かと思われます。両者の得意・不得意の違いがあるため、両方受けた方が良いという話もあります。ここで双方の違いを簡単にまとめてみます。

超音波検査の強み
マンモグラフィーは少ない量ですが被爆してしまうので妊婦さんには使えません。その点、超音波は放射線による被爆の心配はないので妊婦さんでも検査が受けられます。また、痛みもありません。高密度乳腺であっても病変が見えます。

超音波検査の弱み
超音波は器具を動かしながらリアルタイムで画面を見て病変を見つけるので、器具を操作する人(技師や医師)の技術力によって結果が変わることがあるそうです。また、石灰化したものは写らないので、極初期の病変を見つけることは難しいそうです。

マンモグラフィー検査の強み
超音波より乳房内の石灰化を見るのに向いているそうです。なので、極初期の病変を見つけることができます。また、誰が撮っても同じというか撮影に技術力は必要ないそうです。乳腺が密でない中高年の方に向いているそう。

マンモグラフィー検査の弱み
微量ながら放射線被爆をしてしまいます。高密度乳腺(デンスブレスト)の人、特に若年層に向いていない検査です。乳房を圧迫して撮影するため痛みを伴います。

40歳以下は超音波検査がお勧め、とされていますが、41歳の私も立派な?デンスブレストで、マンモグラフィーは真っ白で腫瘍も何も見えませんでした。年齢ではなく自分の乳房がどういう状態かわかっていない場合、できれば両方の検査を受けた方が病気が見つかる可能性が高くなると思われます。

デンスブレストとは。

超音波検査+受診<告知まで vol.4>にも書きましたが、私のマンモグラフィーの画像は真っ白で何も映っていないような状態でした。私の乳腺はいわゆる「高密度乳腺(デンスブレスト)」で、マンモグラフィーに病変が見えにくいとされています。

乳房は、脂肪組織と乳腺組織から形成され、乳腺の密度によって、「脂肪性」「乳腺散在」「不均一高濃度」「高濃度」の4つのタイプに分けられるそう。この中で特に「不均一高濃度」と「高濃度」のタイプがデンスブレストと呼ばれるそう。簡単に言うと、乳房内に脂肪が少なく乳腺の密度が濃いのだそうです。乳房内に乳腺がぎっしりと詰まってる感じでしょうか…?特に若い方にこのデンスブレストの人が多いので、若いときは超音波検査が有効とされているようです。また、アジア系の女性の50歳未満の8割近くがデンスブレストだとする調査もあるそう。日本人の多くの女性はデンスブレストとの可能性が高いのかもしれません。

デンスブレストに関して、乳がんの疑いがかかるまでは私も知らなかったことですが、多くの方に知ってもらいつつ乳がん検診を受けてもらえたら、と思います。

 

参考資料・サイト
https://nyuugan-plaza.com/kininaru/mammography-echo
http://wol.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/155824/102200001/
https://allabout.co.jp/gm/gc/461228/
https://www.mrso.jp/colorda/az/3643/

各種がん144「乳がん 受診から診断、治療、経過観察への流れ」国立がん研究センターがん情報サービス

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