母の入院 vol.3 〜たこつぼ心筋症〜

2018年1月、健康オタクと言っていいほど人一倍健康には気をつけていた母ですが、出産以来初の入院をすることとなりました。乳がんとは関係ありませんが、聞き慣れない病気だったため、記録として残しています。

前回は母が入院してからのこと・心臓カテーテル検査についてでした。今回は、診断名がついてからの入院・たこつぼ心筋症・その後の経過についてです。

たこつぼ心筋症

たこつぼ心筋症は心筋の動きに異常が起きる疾患です。通常、心筋は満遍なく動いでいるのですが、たこつぼ心筋症の場合心臓の根元だけが動いて、先端が動かなくなってしまいます。その根元だけが収縮して先端が動かない形がいわゆるたこつぼ(蛸壺)に形が似ていることからこの疾患名になったそうです。発見したのが日本の方なので海外でも「Takotubo」という名称が使われているそうです。

入院前も主治医の先生に簡単にたこつぼ心筋症の説明を受けた上に、家でもインターネットでですが多少調べていたので、たこつぼ心筋症は一過性の治る疾患であることは知っていました。正直、心筋梗塞は大変なことですし、狭心症も今後の生活に不便があるのではと心配していたので、たこつぼ心筋症だといいのにな、と思ってしまっていました。結果として希望通りの診断だったので気が楽になったのか、母の心臓の映像が見事な「たこつぼ」だったので、医師による説明を受けている時に不謹慎ながらちょっと笑ってしまいました。

結局この「たこつぼ心筋症」の明確な原因はわかっていないそうですが、ストレスが引き金となって発症する場合が多いそうです。ストレスにも色々あって、震災などの災害時には発症する人が増加します。主治医の先生曰く、ストレスの要因となるものは人それぞれで、母のように寒い所でコインパーキングのチケットをとるのに難儀した、というのも本人が大きなストレスを感じれば、引き金となってしまうようです。多くは閉経後の女性だそうで、男性の6-7倍多く発症するので、女性ホルモンと何らかの関係があるかもしれない、と言われているそうです。通常は2-3週間で回復するとされていますが、発症してからすぐは稀に重篤化する可能性があることと、この時点で母には不整脈も認められることから心臓の状態をモニターするために引き続き1週間ほど入院することとなりました。

医師から説明を受けた際、はっきり治るまでの経緯や今後の生活のことなど色々質問させていただきました。

治るまでの注意事項としては、激しい運動をしない重いものを持たないなどがありましたが、なんと言っても、心穏やかにいる、ということが一番だと言われました。特に母は小さなことで大げさに反応したり怒ったりするので、病気関係なく心穏やかに暮らして欲しいとずっと思っていたので、医師にはっきりと言ってもらえたことはありがたかったです。(どこまで身に染みてくれたかはわかりませんが…)

治った後は、普通に今まで通り生活できるそうです。ちょっと心配だったのが飛行機など身体に負担がかかりそうなことへの制限はないかどうか、という点でしたが、こちらも治った後は問題ないそうです。母は旅行好きなので、今後自由に飛行機に乗れるかどうか気になるところでした。

約1週間の入院

母の心臓は月曜日に異変が起こり、火曜に病院に行ってその日から入院となりました。最初はカテーテル検査のための入院の予定でしたが、前述の通りたこつぼ心筋症の経過・心臓の状態をモニターするための入院となりました。様子を見つつ退院する日を決めるため期間は決めず入院しましたが、だいたい1週間ぐらいになるだろうということでした。

入院中は常に心電図の電極を身体につけたままです。データがナースセンターに送られていて、異常があるとすぐにわかる仕組みです。心臓カテーテルを受けた日とその翌日までは点滴をしていて動きにくそうでしたが、思ったよりも早く点滴をはずしてもらえて心電図の電極だけになったのでよかったです。

母の様子はというと、入院した翌日から予想以上に元気でした。実際、背中の痛みはあったものの、心臓カテーテルを受けた日にはほとんど痛みはなくなっていたそうです。息苦しさや胸の痛みなども元々ありませんでした。心臓の動きに異常があるにせよ、他の症状は一切ないので、モニターされて先生が様子を見てくださるだけで、具体的な治療などもありません。病院で何をするわけでなくただ大人しくしていなくてはならず、とても退屈だったそうで、ひたすらテレビを見ていたようです。退屈だけど、家事から解放されてとても楽だったとは言っていましたが…笑

入院してはいるものの基本的に元気だった母にとっては病院食では足りない、おかずの品数が少ない、ということで毎日差し入れすることになりました。また、いつもは白いご飯ではなく雑穀米を食べているため、病院の食事の大盛りの白米が耐えられなかったらしく、そのうちご飯も持っていくことになりました。病院は同じ市内ですが決して歩いていけるような距離ではないので、母の入院中は毎日差し入れに行っていたので、なかなか忙しかったです。

モニター上、不整脈はしばらくあったようですが、それも落ち着いて今後重篤な状態に陥ることはないでしょう、ということで、結局日曜日に退院し、入院生活は6日間となりました

退院後の服薬と通院

入院中から薬を飲んでいましたが、退院後はそのお薬を継続して飲みながら2週間に一度ほど通院していました。健康オタクの母は毎日薬を飲むことすら抵抗を覚えていたようですが、そこはなんと継続して飲んでもらいました。お薬は「β遮断薬」のカルベジロール(アーチスト)でした。「心臓の交感神経に関わるβ受容体を遮断することで心拍数を減らして血圧を下げるお薬」だそうです。心拍数を下げて心臓への負担を減らすことから心疾患にも用いられるそうです。余談ですが、看護師さんにとっては高血圧の薬という認識らしく、入院中に「高血圧のお薬飲みました?」みたいなことを言われ、心臓の病気で入院しているはずの母は若干混乱していました。

体調は特に悪いことはなく、背中の痛みもそれからはありません。なるべく家事に手を抜いたり、重いものを運ばないように気をつけてゆったりと過ごしてもらい、何事もなく春を迎えました。

そして、4月の頭に診察に行った際、ついに薬を飲まなくても良いことになりました。その後は半年に一回くらい念のため診察に行くことになりましたが、この日をもって完治したと言えると思います。昨年は私の乳がん、今年は母の心疾患と我が家は呪われてるのでは、お祓いに行ったほうがいいのでは…なんて話すこともありましたが、二人とも元気になりようやく落ち着いた日々を取り戻しています。

背中の痛みにはご注意を!

今回は運良く大事に至らなくてよかったのですが、心臓の問題が背中の痛みとして現れるという顕著な事例だったと思います。例えば胸の痛みも息苦しさがなくても母のような症例もありますので、もしもいつもと違う背中の痛みを感じたらなるべく早く病院に行っていただければと思います。結果、何でもなかったらそれで安心できるという上でも、速やかに診察を受けるのは大事なことかなと思っています。

乳がんの時もそうでしたが、早期発見・早期治療はどんなことでも当てはまるのだとつくづく思いました。日本人は病院に行き過ぎ、という統計もあるそうですが、私は大事に至る前に病気の芽を潰すことも必要だと思うので、いつもと違う症状があった場合は早めの診察をお勧めしたいと思います。

 

参考サイト
http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/heart/pamph44.html
https://doctorblackjack.net/heart/heart_02-01.html
https://medicalnote.jp/contents/170124-005-IL
http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/heart/pamph34.html
https://www.ims.gr.jp/meirikaichuo/medical/medical01/internal03_2.html
http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/heart/pamph95.html#m9
http://www.nanoinvestornews.com/page06.html

 

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