告知の時 <告知〜手術までvol.1>

2017年5月下旬に乳がんの凍結療法の手術を受けました。告知されるまでを振り返っていましたが、ついに告知の時となりました。告知〜手術まで vol.1です。

2017年2月27日、月曜日

いよいよ、針生検の病理検査の結果がわかる日が来ました。ついに、白黒はっきりしてしまいます。何を思ったのか、この日の午後、友人に会う約束を入れてしまっていました。先方の都合に合わせた結果ですが、「結果は白だから心軽やかに友人達に会えて楽しいはず」という願掛けのようなものでもありました。ですが、さすがに前日からはもし黒だったらなんて言って断ろう…という考えも巡らせるようになり、心臓はずっとバクバクの状態。

今回出かける際は、友人に会いに行く、という病院のあとの予定を告げて家を出発。行きのバスの中ではひたすら祈る気持ち、比較的健康や食事に気を使ってきた自分だから大丈夫に違いないと無理矢理思い込もうとする気持ち、でももしがんだったらすぐに野菜ジュース…など、ぐるぐると思いを頭の中で巡らせながら病院へ向かいました。

予約時間は11:00位でしたが、いつものように待たされました。待合室ではいよいよ緊張と恐怖が増していき、生きた心地がしません。そして、いよいよ名前が呼ばれ、診察室へ。

診察室にてついに告知

診察室では、先生は淡々とされていたような印象です。前回の診察のときとあまり変わらないような。ですが、ちょっとだけ声のトーンが抑えめだったような、診察室の空気感がぐっと落ち込んでいるような感じがしました。

座って挨拶をして、先生がゆっくりとカルテを見つつ、こちらに向かってほぼ第一声で「針生検の結果、悪性でした。乳がんです。」という感じのことを言われたと思います。正直、こんな大事な告知のことは一生忘れない、と思ったものの、ショックが大き過ぎたのか、はっきりとは記憶していません。意外とあっさり言われるんだな、と思った気もします。ただ、そのあと、喉がカラカラで自分の声が出しにくい気がしたことを覚えています。

がんと言われて、さすがに「ガーン」と言ってみる、なんていうリアクションはできず、頭が真っ白な状態でしたが、「ああ、やっぱり…」という気持ちもありました。ひと呼吸置いてやっと診察の内容を携帯で録音させてもらえるかとお聞きし許可をもらいました。自分のある部分はものすごくショックを受けて落ち込みかけているのですが、別の部分はなぜかとても冷静で、今のショックを受けたまま先生の言うことを理解できない可能性もあるから録音せねば…と判断していました。

乳がんとは

録音の許可をもらってから、先生のお話が始まります。先生はやっぱり淡々とまずは「乳がん」とは、ということについて図を書きながら説明してくださいました。浸潤性と非浸潤性の違いからはじまり、ステージの違いはどのようなものか…というようなことです。針生検の検査の結果についてですが、この時この診察室で頭に入って来たことは、自分が「浸潤性乳がん」である、ということ。それ以外のことはまだぼやけていて、理解したとは言い難かったです。事前に勉強していたものの、浸潤性と非湿潤性の違いは先生に説明してもらってやっとすっきりわかった感じがしました。

今後はさらに検査をすすめて、局所転移していないか、遠隔転移していないかを調べてステージがわかる、という説明もしてくださいました。

最後に質問ありますか、と聞いてくださいましたが、先生のお話はわかりやすく、この時は聞くことが思いつきませんでした。やっと聞いたことは、「何をすべきですか」という質問。例えば、風邪をひいたらあったかくして寝なさい、などと言われると思います。がんになったらどうしたらいい、というか、自分で何か出来ることがあるのか、というのを知りたかったのです。先生は「今すぐどうこうなるようなものではないので、普通にしていてください」とのこと。先生のこの言葉で、「そっか、例えがんでも急を要することでもないし、普通にしてていいのか…」と、なんとか我に返ることができました。

告知の後、「ああ、やっぱり」と思ったのは、以前にも書いたおみくじのせいでもあります(参照:要精密検査通知、届く… <告知までvol.2>)。年始にひいたおみくじは「大吉」でしたが、健康面で「悪いことがある」とあったのです…。おみくじが当たってしまった…と思いながら、病院をあとにしました。

告知されてから…

その後、一瞬のパニックののちはショックを受けて心がずーんと沈んでいるような状態でしたが、結局約束があった友人達にはキャンセルをせずにそのまま会いました。何か嫌なことがあったときには友人と楽しく過ごしたほうが自分の心身にはよいと経験的にわかっていたからです。さらに、大きなショックを受けたあとなので、がんのことを少しでも考えない時間があったほうが、受けたショックにとらわれ過ぎずにいいかな、とも思ったのです。友人達には今まさにがんを告知されたばかり、なんて言うことも出来ず、もちろんそんなそぶりも(恐らく)見せることなく、その場は楽しく過ごしました。あとあと考えれば、これがいいクッションになって精神的なダメージを少し和らげてくれた気がします。

友人達と解散後は、まず本屋でがんに関する本を数冊購入。帰ってからも家族に悟られないように、至って普通に過ごすようつとめました。しかし、一人になると「どうしよう」という気持ちが抑えられず、ひたすらネットでその日渡された病理検査の結果について、自分がどういう状況であるのか、がんにどのように対峙していけば良いのか、など、調べ続けました。

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