ホルモン療法、始まりました

本日、ついにホルモン療法開始しました。術後からも、術後の診察からも少々時間がたってしまっているのは、所用で2週間ほど海外に行っていたためです。昨日無事に帰国し、今朝から「フェアストン40」を1錠飲みました。ホルモン療法、これから5年間の予定です。先は長いですが、初回でもありますので、改めてホルモン療法とはについて調べてみました。

そもそもホルモン療法(内分泌療法)とは

乳がんで病理検査をする際、「ホルモン受容体」というのを調べます。ホルモン受容体には2種類あり、エストロゲン受容体(ER: :Estrogen Receptor)とプロゲステロン受容体(PR: Progesterone Receptor、黄体ホルモン)があります。いずれかの受容体、または、どちらかの受容体が多い(陽性である)と、ホルモン受容体陽性になり、「ホルモン受容体陽性乳がん」(または、ホルモン感受性乳がん/ホルモン依存性乳がん)であるということになります。このタイプの乳がんは、女性ホルモンであるエストロゲンをエサとして増殖するということがわかっており、ホルモン療法が適用となります。乳がん患者の約7割はこのホルモン受容体が陽性だそうです。

ホルモン受容体というのは、エストロゲンを取り込む役割をするもののことで、女性ホルモンであるエストロゲンとホルモン受容体が結びつくと乳がんのがん細胞が増えて、乳がんが大きくなってしまうそうです。

エストロゲンの働きを抑えたり、エストロゲンの量を減らすなどして、がん細胞がエストロゲンと結びつくのを抑えて乳がんの増殖を抑える治療を「ホルモン療法」というのだそうです。

閉経前と閉経後での違い

女性ホルモンであるエストロゲンですが、閉経前と閉経後では作られ方が大きく違います。なので、ホルモン療法を行う際も、異なったアプローチをします。

閉経前

エストロゲンは主に卵巣で作られていていますが、卵巣でエストロゲンが作られないようにする「LH-RHアゴニスト製剤」を用いられることがあります。ですが、単独でLH-RHアゴニスト製剤を用いる場合の再発抑制への十分なエビデンスはなく、さらに、抗エストロゲン薬との併用したほうがよいのか、というのも十分なエビデンスもなかったようです。2014年のSOFT試験でようやく、1) 術後化学療法を行ったようなハイリスクである、2) 35歳未満の閉経前女性 に対しては、LH-RHアゴニスト製剤と抗エストロゲン薬(タモキシフェン)を併用したほうが再発リスクを減少させることが明らかになったそうです。これにより、閉経前の低リスクの患者に対しては抗エストロゲン剤単独での治療が標準治療と考えられているようです。

閉経前・閉経後

卵巣で作られエストロゲンがホルモン受容体に結びつくのを防ぐ「抗エストロゲン薬」が用いられます。ホルモン療法のもっとも標準的な薬の一つだそうです。閉経前か後か問わず、広く使われています。

閉経後

エストロゲンは卵巣では作られなくなりますが、副腎皮質から分泌される男性ホルモンから、脂肪細胞などで「アロマターゼ」という酵素の働きによってエストロゲンが作られるそうです。アロマターゼの働きを抑えてエストロゲンが作らないようにする「アロマターゼ阻害薬」が用いられます。

フェアストン

さて、私が服用することになった「フェアストン」ですが、抗エストロゲン薬の一つです。一般的に抗エストロゲン薬と言えば「タモキシフェン」かと思いますが、なぜか私は「トレミフェン」を主成分とする「フェアストン」(商品名)を処方されました。理由は今のところナゾです。タモキシフェンも成分の名前で、製品名ではメジャーなものは「ノルバデックス」や「タスオミン」でしょうか。

タモキシフェンもフェアストン(トレミフェン)も「SERMs」(サームス:選択的エストロゲン受容体モジュレーター)というカテゴリーのお薬だそうです。両者とも乳がんに対しては「抗エストロゲン作用」をし、女性ホルモンの重要な役割である脂質代謝・骨代謝に対しては「エストロゲン作用」をするそうです。これにより、がんは抑えつつも、コレステロール、中性脂肪、骨密度などのバランスが阻害される可能性が抑えられるのだそう。

色々調べて行くと、「フェアストン」は閉経後に主に使われているという記載に出会います。薬剤師さんに訪ねたところ、製薬会社からは閉経後の患者に対するデータしか出ておらず、閉経前の患者には特に効果の有無のデータはないとのこと。ただ、閉経前に使ってはいけないとか効果がないというわけではなく、同じSERMsのタモキシフェンと同様に閉経前であろうと後であろうと同じように効果があるはず、とのことらしいです。数年前までは閉経後のみ保険が適用だったのが、閉経前も保険も適用になり、最近では閉経前でもフェアストンは使われているのだそう。

複雑なオトナの事情な香りがしないでもないですが、このおかげでフェアストンを使っている方の体験談にはあまり巡り会えていないので、今後閉経前の患者さんに対するキッチリとした臨床試験などが行われてデータとしてエビデンスを見ることができると、安心してお薬を飲んでいけるのに…なんて思ったりしております。

副作用がコワい…

ホルモン療法(タモキシフェン)の一般的な副作用として、ホットフラッシュ(ほてり)、動悸や不眠といった更年期障害のような症状、関節や骨・筋肉、生殖器の症状(性器出血、腟分泌物の増加、腟の乾燥、腟炎など)がよくあげられていますし、色々な体験談を読んでいると、多くの人が副作用に苦しんでいらっしゃる気がします。

「フェアストン錠の治療を受けられる患者さんへ」という冊子にある代表的な副作用としては悪心・嘔吐、食欲不振、下痢、発疹などがあるそう。稀に起こりうる特に注意が必要な副作用として、「血栓塞栓症、静脈炎」「肝機能障害、黄疸」「子宮筋腫」があるのだそうです。よく目にする「ホットフラッシュ」に代表されるような更年期障害のような症状に関しては冊子には書いてありませんでした。

どんな副作用が出てくるか、または出てこないのか、戦々恐々としておりますが、飲み進めるしかありませんので、今後の様子も記録していきたいと思います。

 

参考資料・サイト
http://jbcs.gr.jp/guidline/p2016/guidline/g7/q50/
http://jbcs.gr.jp/guidline/p2016/guidline/g7/q51/
http://jbcs.gr.jp/guidline/p2016/guidline/g7/q52/

https://nyuugan-plaza.com/question/leuplin-injection
https://www.mrso.jp/colorda/az/3643/
各種がん144「乳がん 受診から診断、治療、経過観察への流れ」国立がん研究センターがん情報サービス
「フェアストン錠の治療を受けられる患者さんへ」日本化薬株式会社

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