検査結果を待つ間 V 非切除の治療法について・後編 <告知〜手術までvol.11>

2017年5月下旬に乳がんの凍結療法の手術を受けました。
告知されてから手術までを振り返っています。
前回は「検査結果を待つ間 IV 非切除の治療法について・前編」 <告知〜手術までvol.10>についてでした。

乳がん告知の一週間後、転移の有無を調べる造影MRI検査とCT検査をしました。結果が出るまでの一週間は身も心も落ち着かず、乳がんについて、自分の病理検査結果について、乳がんの手術の方式などなど、色々とひたすら調べて過ごしていました。今回は、乳がんの治療・手術方式のなかでも「非切除」の治療法について<後編>です。
※あくまでも個人的に調べた範囲での情報です。情報が古かったり正確でなかったりする場合もありますので予めご了承ください。詳しくは、専門家・医師等の信頼できる方にご相談ください。

非切除でがんをなくす…

前回の記事では、乳がんの治療・手術方式のなかでも「非切除」の治療法:4次元ピンポイント照射療法ラジオ波熱焼灼療法(RFA)MRガイド下集束超音波手術(FUS)重粒子線治療陽子線治療を挙げています。

凍結療法

RFAと同じく乳房の表面から腫瘍に細い針をさしますが、RFAが熱を加えるのとは逆に、凍結療法はがん細胞を凍らせて死滅させる治療法です。アメリカでは1990年の後半から行なわれるようになったそうですが、日本ではまだ行っている病院は少なく、保険適応ではありません。凍結療法を日本で最初に行ったK病院のウェブサイトによると、凍結療法の手術方法は、

まず、針をしこりに直接差込みます。次にその針先をマイナス160度の極低温まで下げがん細胞を凍結します。その後、常温まで戻し凍った細胞を更に破壊します。この作業を2回繰り返し、がんを破壊死滅させます。治療時間は大きさによってことなりますが、手術自体は、おおよそ40分程度です。凍結療法は切除手術に比べ、体への負担が少なく痛みがないのが特長です。凍結により死んだ細胞は時間がたつと吸収されて消失します

とのこと。

保険適応でないのと過去のデータ数が少ないのがデメリットです。メリットとしては、傷が小さく、痛みも少なく、日帰りでの手術が可能であることが挙げられます。

この治療も適応の条件が限られており、RFAや重粒子線治療と同様に腫瘍のサイズが小さいこと(1-1.5cm 以下)、ホルモン陽性、HER2陰性、リンパ節転移や遠隔転移がないことなどなっています。

非切除の治療を行うとしたら…

調べていくうちに、非切除の治療を希望する場合は、RFA(ラジオ波熱焼灼療法)かFUS(MRガイド下集束超音波手術)か、または凍結療法か、と思いはじめました。ですが、RFAは焼き残しがあって局所再発するケースがあるということで、焼き切るのはちょっと怖いと思い、FUSも選択肢からはずれました。最終的に、どちらかというと「凍結療法」が良いのでは…と感じはじめていました。

しかし、私が調べた限りでは、凍結療法の適応が1.5cm以下と書いているサイトと1cm以下と書いているサイトがあったため、もしも適応が1cm以下なら腫瘍のサイズが1.3cmと言われている私は凍結療法できない…と気持ちが消極的に。さらに、「凍結により死んだ細胞は時間がたつと吸収されて消失します」という記載があったのですが、「死んだ細胞が身体に吸収される」ということに、なんとなくネガティブな印象を持ってしまいました。他の非切除手術と比べると治療費は少し低いようでしたが、私にとっては高額なのも相まって「凍結療法は良さそうだけど、どうだろう…」というどっちつかずの気持ちでした。

内視鏡下手術

凍結療法を調べていると、非切除の治療ではないものの、「内視鏡下」で乳房切除手術が行われていることを発見。この手術方式もK病院で行われているようです。手術は、K病院のウェブサイトによると「内視鏡を脇の下と、乳輪から挿入し、内視鏡の観察下で切り離した組織を房乳輪切開にて取り出します。」ということです。メリットとしては、通常の乳房切除・温存手術に比べて「皮膚の違和感の範囲や引きつれ感が少ない、再発率が切除手術と同等もしくはそれ以下である」ことが挙げられるそう。

保険適応で、通常の治療と同等の扱いのようなので、なんとなく安心できるし、とても魅力的に感じました。また、他の治療法の治療体験をブログ等で読むことはほとんどできなかったのですが、内視鏡下の手術の体験談はいくつかのブログ等で読むことが出来ました。読んでいると概ね、切り取る場合より身体に負担が少なそう…という印象を持ち、内視鏡下手術が良さそうなのでは…と思うに至りました。

検査結果を聞く前に…

告知〜検査〜検査結果を待つ間、術式について調べることにものすごく時間を使いましたが、なかなかきっぱりと決断するのは難しかったです。

総合すると、

  • 凍結して死滅した細胞が身体に吸収されるのはなんとなく怖い気がするけれども、「凍結療法」が一番身体に負担がなくて良さそう。凍結療法ができるということになれば、乳がんとしては初期の部類に入れるのではないか。でも、治療費が高いのがネック…。
  • 治療費のことを考えたら保険適応の上、傷が小さくて済んで身体への負担が少なそうな「内視鏡下手術」がよいのでは…。

と考えるようになりました。

こうして、検査結果を聞く前に、「内視鏡下手術」(あわよくば凍結療法)を希望することを心に決めました。まずは、検査結果を聞き、担当の医師の方針を聞いてから、セカンドオピニオンで内視鏡下手術をしているK病院に行きたい旨を伝えようと思いました。希望しているK病院は内視鏡下手術も凍結療法もしているところなので、セカンドオピニオンで凍結療法についても質問できる、と思いつつ、転移の有無がわかる造影MRIとCTの検査結果を聞く日となりました。

 

参考資料・サイト
http://www.qlife.jp/cancer/cure/breast/b-doctor/story7602.html
http://www.com-info.org/ima/ima_20150610_fukuma.html
http://www.kameda-health.com/cancer/patient/cancer/breast/treatment/index.html
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/cancernavi/report/200704/100065.html
http://yuji-motomura.sakura.ne.jp/post-4321/
中村清吾ほか(2011)「名医が語る最新・最良の治療 乳がん」法研
土井卓子(2015)「乳がんと言われたら読む本 治療・生活・食事・ケア・」蕗書房

 

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